章 92

「ガタン」という音がした。

沈九は黒塗りの小さな木の盥を蹴り飛ばした。

腕組みをしたまま、何も言わない。十五か十四か分からない少年は体を縮こませた。

周りの小さな仲間たちは目で煽っている。彼は意を決して、首を突き出した。「沈九、いい加減横暴すぎるぞ。この通りはお前が買ったわけじゃないだろう。なんで俺たちがここにいちゃいけないんだ!」

この大通りは広々として平坦で、人の往来が絶えない。子供たちの喧嘩を眺める通行人もいれば、足早に通り過ぎる人々もいた。

物乞いをするなら、確かに風水の良い場所だった。

この小僧が自分に逆らうとは、沈九が頭を下げてレンガを拾い上げ、ひと目見せてやろうとした...