章 58

「女皇様がテントの中で、ゆっくりと目を覚ました…空がすでに徐々に暗くなっていることを確認し、テーブルの上の地図を見る。ふと、地図の横に積み重ねられた報告書の冊子があることに気づいた。一瞬で頭が冴え、自分がどうして眠ってしまったのかと心の中で呪いながら、冊子を開くと、そこには多くの細かい字で書かれた記録があった。その筆跡はどこか見覚えがあるのに、思い出せない。

そう、これは炎夏の記録だった。炎夏は最初の数冊だけを書き、残りを書こうとしていたところで、女皇が目覚めたため立ち去っていたのだ。

「女皇様に謹んでご報告いたします。こちらは辺境の戦王からの報告書です」一人の兵士が頭を下げながら女皇に近...