章 250

「私が今認めたばかりのお兄ちゃん、えへへ……さっきあなたを救ってくれたのよ」文欣は服の裾をいじりながら、少し照れくさそうに笑った。突然兄として認めたばかりというのは、確かに恥ずかしいものだ。

「そんなことも可能なのか……」巫烨は呆れ果てた。この文欣は、先ほど客寨で出会った奇妙な男を兄として認めたというのか?

鬼夜は礼儀正しく微笑んだ。「はじめまして、鬼夜と申します」

「毒公子!?」

道中での会話の末、巫烨はようやく事実を受け入れた。皇宮に到着すると、そこは空っぽで、唯一多かったのは地面に転がる死体だけだった。

「これは見たくなかったな」巫烨は顔をしかめながら言った。そのとき、まだ生き...