章 177

墨陽は翔玲と青児が喧嘩するよう仕向けることに成功した後、はっとして気づいた。この喧嘩の後、青児はきっと皆に自分の異常さを話してしまうだろう。そうなれば、もうここにはいられなくなる。さらに主人に知られれば、どんな罰が待っているか分からない。

「くそっ!」墨陽は心の中で呪詛の言葉を吐いた。先ほどまでの愉悦感はすっかり消え、頭の中は混乱で一杯になっていた。

袖の中で拳を握りしめる。どうやら……青児、お前を殺すしかないな。そうすれば誰も知ることはなく、その後何の障害もなく銭千を殺すことができる。

そう考えながら、墨陽は自分の部屋に戻った。部屋の中は散乱し放題で、自分がいない間に多くのことが起きた...