章 829

その夜、潘文清は夫の大威の言葉を聞いて、それまで感じていた罪悪感と苦しみが急に軽くなった。潘文清にとって、この一件の前に夫がそんなことをしていたなんて、許せないことだったからだ。

しかし今の潘文清には、夫を責める資格などあるだろうか。結局、今の自分のやっていることはもっとひどいことかもしれない。

それでも潘文清の心の中では、自分と夫の問題は性質が違うものだった。結局あれは大威が自ら進んで裏切ったことなのだから。

だが今の潘文清は心が冷え切ってしまい、もうそんなことを言いたくもなかった。おそらく潘文清の心の中では、この一件のせいで、夫に対する隠し事の苦しみも随分と軽くなっていたのだろう。

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