章 611

「恥ずかしさで胸がいっぱいになりながらも、柳婕婕は勇気を振り絞って、艶やかな赤い唇に携帯を近づけた。そして、かすかな声で囁くように音声メッセージを送った。

「あなた、忙しくなるから、もう話せないわ」

老王は携帯を耳に当て、何度もその音声を繰り返し聴いた。聴くたびに、満足げな笑みが顔に浮かんでいた。

一言一言が小さな声で話されていて、緊張と恥じらいで震えているにもかかわらず、柳婕婕の妖艶で磁性のある声は、その震えとともに独特の誘惑と痺れるような感覚をもたらし、老王の胸の内で思いが激しく揺れ動いた。

老王の頭の中では、荒々しく柳婕婕を弄んだときの、彼女が抑えきれずに漏らした天上の調べのような声...