章 289

「昨夜寝たのは十一時近くで、翌朝起こされたのは出勤してきた李さんだった。

「王さん、どうしたんだい?当直なのにこんなに遅く起きるなんて初めて見たよ。そのしょぼくれた顔、昨夜何か悪いことでもしてたんじゃないの?」李さんはまだ眠そうに顔を洗う王さんを見ながら、机に座ってタバコを吸いつつ、にやにやと言った。

李さんの言葉に王さんは一瞬ドキッとしたが、二人はいつも冗談を言い合う仲だ。王さんは李さんがただ何気なく冗談を言っているだけだと分かっていた。

「昨夜、真夜中に起きてある住戸の配電盤のヒューズを交換してさ、戻ってきてからスマホでドラマを見てたら、どんどん目が冴えてきてね。

あー、もう言うな、...