章 732

安全署の更衣室内、鏡の前に一人の屈強な体格の男が立っていた。

鋭い眼光に鷹のような眉、四角い顔立ち、全身から異様な邪気を放っている。

「龍五、去年お前に勝ったあの僅かな点差は、俺の本当の実力じゃなかったんだ。今年は、ぶっ潰してやる」李金は鏡に向かって、拳を強く握りしめた。

途端に、バキバキという骨の音が部屋中に響き渡った。

「李隊長、彼らが来ましたよ」一人の部下が入ってきた。

「来たか。ふん!」李金は鏡を見たまま冷ややかに鼻を鳴らし、それから振り向いて言った。「一年間待ったんだ。国安局の連中に見せつけてやる、我々安全署が今年どれだけ叩きのめせるか」

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