章 699

唐萧は結局中に入ったが、予想外にも彼一人だけだった。

龍五が入ろうとすると、趙おじさんに直接外へ案内されてしまった。唐萧は完全に困惑した。趙おじさん、何か勘違いしているんじゃないか。

さっき上階の王部長に口答えしたのは、龍隊長だったはずなのに。なぜ自分だけが残されたのか。龍五も訳が分からず、不安げに唐萧を一瞥した。

今、部屋の中の雰囲気は非常に重苦しかった。趙錦燈がずっと唐萧に背を向けたまま、口を開かなかったからだ。

外の三人は、ドアに耳を当てて暫く聞いていたが、中から何の反応もないため、互いに顔を見合わせて首を振った。

「唐萧、私がなぜお前を呼んだか分かるか?」ようやく趙錦燈が口を開いた。

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