章 683

老人は目を覚ました。正確に言えば、ずっと眠ってはいなかったのだ。

先ほどの唐蕭の奇妙な表情を見たとき、この若者は何か隠していると思っていた。

それに、あの薬鼎を抱えて戻ってきたのも妙だった。

老人が眠りを装っていると、突然の大音響で、ベッドから転げ落ちそうになった。

それから先ほどのような質問をして、唐蕭がどう説明するか様子を見ていたのだ。

今や老人は確信していた。外で何かが行われているに違いない。

唐蕭が薬を調合することに集中している今こそ、老人はこっそりと茅葺き小屋から抜け出した。

瞬時に、向かい側の火の光と唐蕭の姿が目に入った。

「やはりな、あの奇妙な物を弄っていたか」老人の好奇...