章 630

龍五の車が急停車した。これ以上進めば、部隊の管轄区域に入ってしまう恐れがあった。

だが今は心配する必要はない。もし本当に部隊の監視区域に入ったとしても、以前と比べて柵などの障害物が増設されていると聞いていた。

趙局長からの電話の内容は、唐蕭にもはっきりと聞こえていた。あのテロリスト集団は全滅したという。

彼らは実に不運だった。元々の目標はこの部隊を襲撃することだったが、到着してまもなく訓練された部隊に遭遇し、殲滅されてしまったのだ。

その前にも予想外の出来事があった。部隊の誰かが地雷を踏んで負傷したのだ。

この事件は部隊内では厳重に情報が封鎖されていた。負傷者は秘密裏に北京へ搬送され治療を受け...