章 605

約一時間後、趙錦燈と龍五がようやく出てきた。

唐蕭と二人の女性は、すでに外で、それぞれ別々に時間を潰していた。

「待たせたね」趙錦燈が出てきて、最初の一言はこんな心温まるものだった。

唐蕭はそれを見て、急いで立ち上がり、「趙おじさん、大丈夫です。どうせ暇でしたから」と言った。

「趙局長!」

木子晴と千月も立ち上がり、趙錦燈に挨拶した。

龍五は趙錦燈の後ろについていたが、彼の表情からは、先ほど中で何があったのか、喜びなのか憂いなのか読み取れなかった。

唐蕭はこっそり何度か観察したが、特に異常は見つからなかった。おそらく趙錦燈と彼の会話は、ほとんど表面的なものだったのだろう。

なぜなら一時間もの間...