章 576

モードは趙錦灯を気絶させた。仕方がない、もし彼がこれ以上くどくど喋り続けていたら、唐蕭が本当に彼を殺していたかもしれない。

今、部屋の中の空気は異常に重く、普段から唐蕭を嫌っている木子晴でさえ、彼の泣き声に少なからず心を動かされているようだった。

趙錦灯は何度か口を開こうとしたが、結局は「泣きたいなら泣かせておこう、それが彼の気持ちを少しでも楽にするかもしれない」と思い直した。

かわいそうな子だ。まだこんなに若いのに、両親を亡くしてしまった。彼の泣き声は、きっと長い間抑え込んでいた悲しみが爆発したのだろう。

唐蕭はしばらくそうして一人で泣き続け、ようやく泣き止んだ。涙を拭い、立ち上がっ...