章 555

木子晴は、どうしてか急に体の涼しさが、耐え難い痒みへと変わったのか分からなかった。

少し我慢してみたが、どうにもならなかった。唐蕭に注意されたにもかかわらず、彼女は本能的に自分の体を掻き始めた。

唐蕭はその様子を見て、これではいけないと思った。すぐさま一歩踏み出し、彼女の手を掴んで、しっかりと握りしめた。

「ちょっと、何するの。離して、痒いのよ。辛いわ!」木子晴は少し抵抗したが、確かに体の内側から湧き上がる騒ぎを、自分ではコントロールできなかった。

唐蕭はこの状況を見て、仕方なく頭を振りながら言った。「こうなったら、少し眠ってもらうしかないな。悪く思わないでくれ」

「眠る?」木子晴は困惑した表...