章 52

「中に入ってきた人物が杨天威だと気づいた唐萧は、数日前に古玩街で自分を散々に殴りつけた相手だとすぐに認識した。あの日は杨老爷子に出会えて助かったものの、そうでなければ官商癒着の警官たちに白を黒と言いくるめられていたはずだ。

「君だったのか。皆同じ仲間なら、今日は話し合うことなど何もないな」唐萧はあの日の出来事を思い出し、意を決して冷たく携帯を取り出した。

「もしもし!派出所ですか?薬材市場で不法監禁と女性への性的暴行未遂が発生しています……」

「はい、唐萧と申します…はい、分かりました。常に連絡が取れるようにしておきます」

電話を切った唐萧は、こっそり萧眉の様子を窺った。彼女は小さな拳...