章 517

唐萧が李振興の元を離れたとき、すでに夜は更けていた。

二人はそのまま食事に行き、それから別れて、それぞれ家に帰ることにした。今日は唐萧が古山で過ごす最後の日だったので、当然もう少し街を散策してから寝るつもりだった。

街頭に立ち、唐萧は感慨と無力感を覚えた。この一年で、あまりにも多くのことが起きたと思い返す。

彼は時々考えた。もし自分が奇遇に遭わなければ、その後起きた出来事は自分の身に降りかからなかったのだろうか。だが考えてみれば、それらの出来事は本当は何の関連もないのかもしれない。

頭を振って、唐萧はそれらの余計な雑念を全て頭から追い出した。

「助けて、助けて…誰か、バッグを奪われました、強盗...