章 509

この男は自分と同い年くらいで、後ろには二人のボディガードらしき人物が控えていた。彼自身は白いシャツに黒いズボンという出で立ちで、どことなく品格が漂っていた。外見から判断するに、ただの人物ではなさそうだ。

唐蕭はこの男が自分に向かって来るのを見て、相手を見つめながら尋ねた。「あなたは、何者だ?」

その男は唐蕭が自分を恐れない様子に少し意外そうな表情を浮かべ、一瞬たじろいだ後、低い声で言った。「私が誰かは重要じゃない。まずは彼を放せ」

「彼?」唐蕭は手に掴んでいる林建陽を見て、状況を理解した。この男は林建陽のために来たのだ。そう思うと、首を横に振った。「無理だ。こいつはここの商店主たちを虐げ...