章 505

車は果物市場の近くに着いた。遠くから大勢の人が何かを取り囲んでいるのが見えた。

唐蕭は不吉な予感が胸に広がり、急いで運転手に車を路肩に停めるよう指示した。料金を払うと素早く車を降り、人だかりに向かって駆け寄った。

「てめぇら、命が惜しくねぇのか。ここじゃ老子が法だ。借りないなら出ていけ」

「借りたくないわけじゃないんです。でもこれは受け入れられません。契約書には五年間は家賃を上げないと書いてあるのに、なぜたった二年で家賃値上げの通知が来るんですか?」

「余計な口を挟むな。借りるなら借りろ、嫌なら出ていけ」

中から横柄な声が聞こえてきた。唐蕭は遠くからでもその傲慢な声を聞き取り、眉をひそ...