章 50

「ホテルに入った瞬間から、蕭眉は何か違和感を覚えていた。だが、それが具体的に何なのかはすぐには思い当たらなかった。万金製薬のブランド力を市場で高めるため、普段めったに見られない千年野山人参という誘惑は余りにも大きく、今この決断をせざるを得なかった。

「白芸、今あるホテルで薬材を見ているわ。メッセージを見たら返事して」成功したビジネスウーマンとしての基本的な警戒心から、蕭眉はそう送信するとすぐに携帯をしまった。

エレベーターのドアが開き、二人は前後してVIP個室888号室の前に到着した。

ドンドン!ロバ顔の男がドアをノックした。

「早く連れてこい」中から上官少東の待ちきれない声が聞こえ、...