章 45

李振興は古山県に来る前、この地域の歴史において、数名の優れた医術を持つ名医たちが存在し、数本の銀針だけで不治の病に苦しむ多くの患者の命を救ってきたことを知っていた。

江城には唐仁天という老中医がいて、代々伝わる鍼灸の技術は極めて高度なものだったが、何年か前、この医術で人々を救ってきた名医は突然姿を消してしまった。

彼はこの若者が、このような危機的状況で救急処置室に飛び込む勇気を持つだけでなく、卓越した医術も持ち合わせていると確信していた。

趙飛と王徳林は李振興に一喝されて足を止め、二人の顔色は極めて険しいものとなった。

「この命知らずの犬め、初日からおれに面倒を持ち込みやがって」

王...