章 390

銀行の前には、すでに中にいる人質の家族が何百人も集まっていた。親族が人質にとられていると聞いたり、予感した人々が皆駆けつけていたのだ。

申為国と羅晋は必死に現場を制御していた。多くの家族たちは以前、警戒線を突破しようとしていたのだ。今は中から次々と出てくる人質を見て、この作戦の指揮官である申為国はようやく胸をなでおろした。

「局長、人質はほぼ出てきました」羅晋は監視室を通じて、犯人が二人の人質を残して他の全員を解放したことを把握していた。

「まだ二人残っているのか。まだ交渉が必要だな」

申為国は報告を聞いて深く息を吸い込んだ。今は大部分の人質が出てきたが、中にはまだ二人がいる。市民の安...