章 328

唐萧は銀針を片付けながら、夏雪の美しい顔を見つめていた。彼女は老人の背中に付着した血吸虫の死骸の悪臭も厭わず、スポンジとアルコールで何度も丁寧に拭き取っていた。

老人の顔色は、治療前に比べてずっと赤みを帯びていた。おそらく長期間にわたって腹部に血吸虫が寄生し、血液を吸い取られ栄養失調になっていたのだろう。

この一連の光景を、周囲のおじさんおばさんたちは食い入るように見つめ、驚嘆の声と共に議論が沸き起こった。

「見てよ、この老人の顔色、明らかに赤みが戻ってるじゃない」

「そうよね、お腹見てみなさいよ。来たときはパンパンに膨れてたのに、今見てごらん、こんなに短時間なのにはっきり小さくなってる...