章 304

「なんてこった。あなた、まさか、ダイエット薬を風邪薬だと思って、私に飲ませたんじゃないでしょうね?」老王はその様子を見て、ほぼ確信に近い疑念を抱いた。

「わ、私は知らないわ。薬は一緒に置いてあって、何を見たかなんて気にしていなかったわ」

女性の顔には後悔の色が浮かんでいたが、それでもまだ言い逃れをしようともがいていた。朝、夫に渡した薬は確かに彼女が用意したものだ。それが風邪薬なのかダイエット薬なのかは、おそらく彼女自身にしかわからないことだった。

老王は彼女の返答を聞いて、さらに疑いを深めた。若い医師の説明と自宅の薬の保管状況があまりにも一致していたからだ。医師の言う通りなら、自分はダイ...