章 30

「なんてこった、この世に本当に仙人が存在するなんて?」

「信じられない…」

唐蕭は夢を見ているような気分だった。すべてが非現実的で、ただ経脈を流れる心地よい霊気だけが、これからの人生が激変することを物語っていた。

唐蕭はしばらく呆然としていたが、やがて立ち上がり、服についた埃を払い落とし、電動バイクを起こすと、江城映画村へと走らせた。

沈碧瑶が所属する撮影班は、映画村で最も高級なホテルの一棟全体を借り切っていた。

遠くからでも、きらびやかな灯りに包まれたホテルが見えた。

唐蕭は電動バイクでホテルの裏側まで来ると、片足で地面を支え、停止し、見上げた。

沈碧瑶と楊萌萌は三階のスイートルームに...