章 295

羅晋は唐蕭が茫然とした顔をしているのを見て、思わず笑みを浮かべた。「こうしよう。君はまず自分の用事を済ませて。私は戻って付近の監視カメラを確認する。何か分かったら連絡するよ」

「それでいいね。こういう捜査は警察の仕事だし」唐蕭はうなずいた。どうせ自分には何の手がかりもない。数人の容疑者を思いついたが、すぐに否定せざるを得なかった。

まず最初に思いついたのは王子龍だ。だがあいつは最近スキャンダルで大騒ぎになっていて、今頃は自分のことなど構っている暇はないだろう。それに、最近二人の間に衝突もなかったし、昔のことでここまで恨みを抱くとも思えない。

もう一人の容疑者といえば上官吉祥だが、唐蕭はこ...