章 274

「皆様、本日の元国営製薬工場の競売を始めます。県委員会の総評価額は四千五百二十三万元で、開始価格は二千五万元、各入札の値上げ幅は五十万元となります」

この言葉は参加者全員の資料に明記されていたが、価格を聞いた全員が思わず冷笑した。この工場は全盛期ならともかく、今となってはまったく価値がないからだ。

幸い、スタート価格は妥当に設定されていた。そうでなければ多くの入札者が逃げ出していただろう。四千万以上も出して不良債権を買い取るなど、引き受ける者はほとんどいないはずだ。

「では規則を説明します。開始価格が提示された後、各入札の間隔は十秒です。もし入札がなければ、前回の入札者が落札となります」...