章 269

これは一針一針、簡単なものではない。

おそらく劉雯の身分が理由だろうか、唐蕭は最初の一針を終えたものの、やはり少し緊張していた。

二針目は陰廉を狙う。最初の一針と同じく、麻酔薬はなく、天麻穴を刺激して一時的な麻痺を得てから針を刺すしかない。

しかし二針目は違う。天麻穴はたった一つの穴位しかなく、繰り返し針を刺して何度も刺せば、皮膚は見るに堪えない状態になるだろう。

今回、唐蕭は一度に二針を施さなければならない。左手でまず天麻穴の針を抜き、手のひらに挟む。右手の指で鹿皮の針袋から二本の銀針を取り出し、人差し指と親指で一本、中指で一本を挟んだ。

これらの道具...