章 207

唐萧は咳き込んで、密かに疑念を抱きながら透視の神瞳を開いた。

古山県に来てからさほど時間は経っていないが、最近東奔西走していたおかげで、いくつかの場所は知っていた。しかし、今窓の外に見える建物があまりにも見知らぬものばかりで、思わず胸が締め付けられた。

天瞳を通して、唐萧は道路標識を探し始めた。標識さえ確認できれば、自分がどこにいるのか、一体どんな場所なのかがわかるはずだ。

「出城方向、江城へ」

突然、唐萧は一つの案内板を見つけた。そこにははっきりとそんな大きな文字が書かれていた。道標は傾いており、明らかに長年使われてきたものだったが、文字ははっきりと読め、その意味も一目瞭然だった。

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