章 196

「父さん、最近外の様子はどうだい?表面上は静かだけど、水面下で何か動きがあるんじゃないかと心配だ」

「ふん、まだ民の怨嗟が収まらんよ。この数日、お前の母さんの体調が優れなくてな、露店を出していない。外のことは、状況も分からんのだ」

「父さん、自分の身を大事にしてください。できれば、もうこの件に関わらないでほしい。退職されたんだから、こういったことは国に任せればいいじゃないですか」

「ふん、私は国に育てられた身だ。今、県内で汚職が横行しているのを見れば、黙っていられんのだ。心配するな、この老骨、家に寝転がっているだけでも死を待つだけだ。何かの役に立った方がましだろう」

「でも父さん、三弟たちはい...