章 159

唐萧はタクシーに乗って県政府庁舎に到着し、料金を払って降りた。

「待て、何の用だ?」

入口の警備室を通る際に呼び止められた。唐萧は仕方なく携帯を取り出し、李振興に電話をかけた。

李振興の執務室は県政府の入口に面しており、唐萧からの着信を見たが受けずに、窓辺に歩み寄ると一目であの晩よく酒を飲んだ若者を見つけた。

電話を切ってから、今度は入口の警備室の内線にかけた。

「もしもし、李振興だ。入口にいる者を通してくれ」

入口の警備員は、唐萧が県長に会いに来たという話を作り話だと思い込んでいた。だから、まるで犯人を取り調べるように唐萧に難癖をつけていたのだ。

しかし警備員が身元確認のような...