章 146

唐蕭は戦うにつれて驚きを隠せなかった。この女性がこれほど身のこなしが敏捷だとは思わなかった。何度か捕まえられそうになったのに、彼女にうまく避けられてしまう。

もっとも、それにも理由があった。

唐蕭は何度か手を出そうとしたが、彼女の敏感な部分だと気づくと、すぐに引っ込めてしまった。最初は女性だと知らなかったからよかったものの、今では知ってしまったため、おじけづいてしまっていた。

千月は既に頬を膨らませていたが、唐蕭にはそれが見えていなかった。

千月は心の中で思った。この男は紳士的でないだけでなく、度胸もない。ふん!

「あいたっ!痛い」

そのとき、千月が一瞬の油断で、唐蕭に手首を掴まれ...