章 14

電池交換、その名の通りマイクの電池を交換することだ。

兄貴は毎月十五日に店に来て帳簿をチェックし、回収した債務には報酬を与える。元金と利息合わせて五パーセントが貰えるが、参加者間での分配は兄貴は関知しない。部下たちは皆、謝然について回りたがる。謝然が金を分ける時は公平で気前がいいからだ。最も重要なのは、彼が債務回収に暴力ではなく方法論を重んじることだった。

だが、債務を回収できなかった場合、その責任者は兄貴と「電池交換」をすることになる。

兄貴はカラオケが好きで、専用の電池切れ寸前で信号ランプが点滅し続けるマイクを使う。彼が歌っている間、部下たちも手を休めない。債務を返せない者を隣の個室...