章 876

いわゆる「殺豚」とは、偽札を売りさばいたり、強引な売買をしたり、詐欺や騙しの類いの悪事を働くことだ。

「ああ、何か稼ぎになることがあったら、今度俺も一緒に連れてってくれよ。家にいても暇なだけだしさ」程三麻子は言った。彼はおそらく家に居続けることにうんざりしていたのだろう。

色哥は何も言わなかった。彼は賢い男だ。物事によっては、知らないほうが知るよりも良いこともある。それに、彼には外に出て悪さをする気など毛頭なかった。少なくとも今は、徐多喜が与えてくれる温かな愛の巣の中で、すっかり我を忘れていた。

深まる秋の山村、夜になると冷気が忍び寄ってくる。月の光さえも霜に打たれたかのように、冷たく寂...