章 869

彼女は足早に歩き、すぐに東屋の下に到着した。東屋は六本の石彫りの角柱で支えられ、中央には丸い石のテーブルが置かれ、その周りには四つの丸い石の腰掛けが配されていた。夏の時期には涼を取るのに絶好の場所で、李羨羨はかつてここに来たことがあった。

石の腰掛けに向かい合って座って話していた二人は、黒いビニール袋を提げた李羨羨を見ると、少し驚いた様子だった。

「小羨、来てくれたのね!」妙桃はすぐに立ち上がり、白い素肌に赤みが差した。

「うん、夜に出かけるの大変そうだから、私が来たの」李羨羨はそう言いながら、東屋の中に入った。

「阿弥陀仏……」先ほど妙桃と話していたのは体格の良い若い僧侶で、突然の李...