章 363

そんなことを考えていると、李羨羨の心の中の不安はますます強くなっていった。

もしかして、自分は本当に悪い人間になってしまったのだろうか?

コンコンコン。

ドアをノックする音が聞こえ、李羨羨は立ち上がった。

彼女は入社する時に会社の玄関に鍵をかけていたので、誰がノックしているのか分からないまま財務部から出た。

会社の入り口まで行くと、李羨羨はドアの覗き穴から外を見た。

宋飛龍だと分かった瞬間、李羨羨はぎょっとした。

彼女が口を開く前に、外に立っていてハイヒールの音を聞いた宋飛龍が言った。「すみません、自分の荷物を取りに来ただけです」

李羨羨は宋飛龍に対して悪い印象を持っていた上、会社には彼女一人...