章 270

「このままいつか不倫がバレて旦那と離婚することになっても、独身に戻った彼女にはより多くの貯金が残るはず」

もちろん、彼女は旦那と離婚したいわけではなかった。

旦那を深く愛しているからではなく、彼が疑うことを知らない実直な男だからだ。

そんな男と一緒にいると特別な安心感があった。心置きなく浮気ができるからこそ！

旦那の優しさを思い、寧金銭の荒々しさを感じながら、韋芸の体温はどんどん上昇していった。

そして旦那がすぐ側で見ているという想像が、韋芸の感覚をさらに強烈なものにしていた。

そのとき、李羨羨がドアの前に立っていた。

ノックしようとした瞬間、彼女は韋芸の隠そうともしない喘ぎ声を耳にした。...