章 92

「大丈夫よ。その茶碗は寝る前に食洗機に入れておくから、心置きなく映画を観ましょう」と苏晔は唐杺の手を引いて視聴室へ連れて行った。「普段はどんな映画が好き?」

「古い映画かな」唐杺は苏晔に向かってにっこり笑った。「つまらなく思われるかな」

「そういう人って感情や思想を大事にする人じゃない?」

「古い映画が好きなのは、それがまだ新しかった時に理解できなかったからかも。新旧は比べられないし、移り変わりは止められない。でも私はどうも昔のものに愛着を持ちやすいみたい」

苏晔は唐杺を愛おしそうに見つめた。「私も古いものが好きだけど、新しいものを拒絶するわけじゃない。ただ、新しいものやトレンドを追いかけて...