章 71

公園に足を運び、隅にあるブランコに腰を下ろした。蘇曄は何もせず、ただ静かに座っていた。行き交う人は多くないが、それぞれに物語があるのだろう。しばらく放心していると、「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」と声がした。蘇曄は反応せず、幼い顔が目の前に現れるまでそのままだった。

「お兄ちゃん、失礼だよ。呼んでるのに全然反応してくれないなんて」と幼い声が再び響いた。

蘇曄は平然と答えた。「なぜ君に反応しなきゃいけないんだ?」

小さな女の子は怒る様子もなく、蘇曄の腕をつんつんと突いて笑いながら言った。「お兄ちゃん、ちょっと座らせてもらえない?隣にもあるんだけど」

女の子が隣のブランコを指差すのを見て、「じ...