章 70

駆け引きは本来勝ち負けを競うものではないはずなのに、結局は勝敗という形で終わらざるを得ない。身をもって体験しなければ、そんな道理も単なる気取った言葉に過ぎないのだろう。蘇老が将棋を終え寝室に戻ると、庭から車が去っていく音が聞こえ、思わずため息をついた。

「どうしたの?晔が、こんな遅くに?」

蘇老は妻の方を見やった。「こんな遅くまでカメラをいじっているのかい?」

「明日写真を撮るのよ。とても貴重な瞬間なんだから」

ベッドの傍らに腰掛けて、「はぁ、蘇家は晔に申し訳ないことをしたな」

唐突な言葉に蘇老夫人のカメラを弄る手が一瞬止まった。それを見て、彼は彼女の手に自分の手を重ねた。

「結局...