章 16

「私は風景を見るのが好きなんだ」

蘇曄は怠惰な様子で星空を眺めながら感嘆した。

「どんな風景が?」

この話題に、唐杺は興味を示した様子だった。

「全部さ!良いものも悪いものも。なぜだと思う?」

蘇曄は質問を口にした時、自分でも少し驚いていた。こんな深い感情をどうやって彼女に推測させるのか、唐杺の答えに対して、実は彼は期待を抱く勇気がなかった。

「人のいない境地、広大な空と海ってこと?」

答えを聞いた蘇曄の瞳が一瞬止まった。人のいない境地、広大な空と海!振り向いて唐杺をじっと見つめる。星の光が彼女の花のような笑顔を彩っていた。

『唐杺、私の誰もいない世界に、これからはあなたの姿があることを願って...