章 10

結婚式は屋外で行われていた。二人が到着したとき、ちょうど沈墨が中から出てくるところに出くわした。唐杺は意外と平然としていた。

「気持ちを整理したなら、もう気まずさなんて感じないわ。まだ気まずいなんて思うなら、それこそ問題があるってことじゃない?」

その場で固まった沈墨に対し、蘇晔は表情を変えなかった。表面上の取り繕いだ。唐杺は微笑みながら軽く会釈し、これ以上の会話を避けようとした。すれ違う瞬間—

「杺杺」

唐杺はハッとした。蘇晔はただ何気なく彼女の腰に腕を回し、沈墨に向き直って唇を弧を描いた。

「沈少、もうすぐ式が始まりますね。今日の花嫁はさぞ美しいでしょうね」

蘇晔のこの一言で沈...