章 659

蝦蟇は大きく手を振り、周囲に銃を構えていた部下たちに道を開けるよう命じた。中に囲まれていた人々が次々と逃げ出していく。

白琳琳は越野車から降り、白いワンピースが夜風になびいていた。凛とした姿に艶やかさが混じり合い、まるで一輪の白蓮のように、思わず見とれてしまうほどの美しさだった。

蝦蟇はよだれを飲み込み、長年手に入れたいと思っていた逸品が近づいてくるのを見て、興奮を抑えられなかった。

「趙哲、早く何とかして!琳琳をあんな畜生の手に渡すわけにはいかないわ」王妍は白琳琳が親友であるため、焦りを隠せなかった。

「安心しろ、言われなくても彼女に何かあるとは絶対させない」趙哲は頷き、王妍に向かっ...