章 624

古墓の洞窟の中、趙哲と玉仏はすでに隅に追い詰められていた。退路はなく、目の前には巨大な怪物が今にも彼らを飲み込もうと虎視眈々と構えている。

「玉姉さん、獅子王はひどいよな。こんな化け物がいるって一言も言ってくれなかったなんて」一通りの攻防の末、趙哲は彼らの力ではこの怪物にはまったく歯が立たないことを悟った。全身の鱗が硬すぎて、攻撃できる箇所がどこにもない。彼の精確な力と速さをもってしても、十数回の刺突を加えたが、わずかな皮膚の傷を負わせるだけで、重傷を与えることはできなかった。

玉仏の顔色も青ざめ、玉のように侵しがたい美しい顔には血の跡が一筋走り、かなり惨めな様子だった。「わからないわ。獅...