章 607

趙哲は厚かましく彼女を追いかける気にもなれず、振り返って地面に倒れた冷たくなりつつある死体と、血に染まって転がっている大刀を一瞥した。そして歩み寄ると、その刀を手に取り、闇夜の中へと姿を消した。

大統領スイートルーム内、窓から飛び込んできた人影とともに、欠けた大刀が床に投げ出され、大きな音を立てた。それは風呂から出てきたばかりの水玲瓏を驚かせ、体に巻きつけていたバスタオルはしっかり結べないまま床に落ちてしまった。

一瞬、雪のような白さが揺れ動き、目を引く魅惑的な光景が広がった。

「こ...これは何?あなた何をしたの?」水玲瓏は驚きの表情を浮かべて言った。

「へへ、なんでもないさ、ただホ...