章 67

新幹線が駅に到着し、出口で冷凛がポケットに手を入れて立っていた。今日はカジュアルな服装で、いつもより若々しく見える。子供はクリーム色のパーカーにグレーのスウェットパンツ姿で、リュックを背負い、大きなスーツケースを引いていた。改札を出る前から人混みの中に立つ冷凛の姿が目に入った。眩しいほど輝いている。

「先生」クリームパン色の服を着た子供の声も柔らかくて甘い。

「ああ、行こうか」冷凛は笑顔を浮かべ、子供の袖をつかんで地下駐車場へ向かった。しっかり掴まないと、迷子になってしまいそうだ。

クリームパンそのものの井燃は道中ずっと鼻歌を歌い、頭を揺らしながら落ち着きなく歩いていた。昼食に井燃は四川...