章 58

休みを待ち望むようになったが、休暇中も両親はほとんど帰宅せず、研究所に一ヶ月以上も滞在することがあった。冷凛と妹は成長するにつれて、互いに連絡を取ることも顔を合わせることもめっきり減った。正月に会っても形だけの挨拶を交わし、用事があれば済ませ、なければそれぞれの家に帰るだけ。クラスメイトや同僚の幸せな家族の姿を見て、自分の家族は皆、人とのコミュニケーションが下手で、冷淡で孤独な性格をしているという異常さを知った。大学でそれに気づいた時、自己嫌悪に陥りながらも、群れに溶け込めるよう努力し、自分の性格の欠点を改善しようと様々なサークルに入って自分を鍛えた。仕事も好きだった建築設計を諦め、営業部門に...