章 38

「ゆっくり、この碗はすべて君のものだよ」

「お持ちになって手が疲れるといけないと思って」

「人を叩くのにも疲れないのに、碗を持つくらいで疲れるものか」

「すみません……」

膝が確かに動かすと痛むため、井燃はソファに横になってテレビを見るよう言いつけられた。特に訓練もなく楽な時間だが、冷凛が書斎で仕事をしたり本を読んだりするのを見ることができる。井燃は隅に跪いて、ぼんやりしたり、時々冷凛を見たりするのが習慣だった。今、冷凛は書斎にいて、自分はリビングにいるせいでアニメさえ集中して見られない。午前中ずっとすねていて、自分でもあまりにも幼稚だと感じていた。実際、冷凛は自分に怒ることはめったになく、...