章 37

「井燃、実は冷凛は本気なんだ。サブを迎えたいと思ってる。お前たち二人とも、殴りたい方も殴られたい方も揃ってるじゃないか。素直になって、もうふざけるのはやめろよ。彼はここ数年、自分を苦しめすぎたんだ」

そうだ、冷凛はサブが欲しくて、ちょうど僕がサブで、それだけのことだ。

冷凛が戻ってきたとき、井燃はもう口喧嘩する気力もなく、膝をついたまま東に西に傾き、あと少しで床に倒れそうだった。冷凛は腕時計を見た。すでに一時間二十分も跪いていた。本来なら三十分で立たせるつもりだったのに、向こうで時間を取られてしまい、しかもこの大理石の床は何と硬いことか。

「立っていい」冷凛が命じた。

「ドン」井燃は必...