章 10

「一度も跪いたことなどなくても、指示を受けた瞬間には素直に跪くのだな。冷凛が彼の跪き方を修正し始めると、この子は悟性が高いことか、一度言われただけですぐに覚え、見事な姿勢で跪いている。冷凛は井燃の前に半蹲みになり、ゆっくりと口を開いた。」

「お互いをよく知らない状態だから、試用期間中は『セーフワード』を考えておくといい。自分の限界だと感じた時に使えば、その時私が何をしていても必ず手を止める。ただし、むやみに使うものではない。君は賢いから分かるだろう。お互いに慣れて長期的な関係を築くことになったら、セーフワードは無くなる。すべては私が掌握する」

「冷凛、あなたのお名前で、よろしいでしょうか?...