章 98

その場は結構気まずかった。夏雨涵は顔を真っ赤にして、うつむきながら柔らかい声で「もう見飽きた?」と言った。正直まだ見飽きてないと言いたかったけど、夏雨涵に変態だと思われそうで、ぎこちなく笑いながら「ここで待っていて、外に出てあの破廉恥な覗き魔を捕まえてくる」と言った。

そう言って医務室を出ようとしたとき、夏雨涵が後ろから呼び止めた。「こんな遅くにどこで捕まえるの?私一人でここにいるの怖いし、追いかけるのはやめて、ここに残ってくれない?」

マジか、聞き間違いじゃないよな?夏雨涵が自ら俺に残ってほしいと?つまり、俺と彼女が...

夏雨涵の意図を勘違いしていないか確かめるため、試しに聞いてみた...